堀尾昭子 HORIO AKIKO

  • 具体作品1966
  • 具体作品1967
  • 具体作品1968
  • 略歴
    • 1937 徳島市生れ
    • 1959 徳島大学医学部付属高等看護学校卒業
      徳島大学医学部付属病院勤務
    • 1962 兵庫県ガンセンター勤務
      作品制作を始める
    • 1966 第一回毎日美術コンクール入選
    • 1967 具体新人展出品
      -1972年具体解散まで連続出品
    • 1968 具体美術協会会員
    • 1970 芦屋市美術協会会員
    • 1988 「動物実験の廃止を求める会」「JAVA」 1995-2013 「地球生物会議」兵庫支部代表として動物福祉活動
    • 現在まで関西を中心に作品発表

展覧会

  • 個展
    • 1990 オンギャラリー、大阪
    • 1992 アートスペース虹、京都
    • 1993,94,99,05,06,07 信濃橋画廊、大阪
    • 1995-2003 ギャラリークオーレ、大阪
    • 2001 AD&A GALLERY,大阪
    • 2002,05,12,20 STREET GALLERY,神戸
    • 2008 神戸わたくし美術館、神戸 花岡画廊、神戸
    • 2010,17 LADS ギャラリー、大阪
    • 2014,18 Gallery Yamaguchi kunst-bau、大阪
    • 2015 ギャラリーあしやシューレ、芦屋
    • 2018 山口芸廊 台湾、高雄
    • 2019 Korsbarsgarden、スウェーデン
  •      
    • 1999 静謐の美 芦屋市立美術博物館
    • 2000 芦屋の美術 芦屋市立美術博物館
    • 2003 ワレモノ注意 芦屋市立美術博物館
    • 2004 具体回顧展 兵庫県立美術館
    • 2005 前衛の女性 1950-1975 栃木県立美術館
    • 2012 「具体」-ニッポンの前衛 18 年の軌跡 国立新美術館
  • コレクション
    • 宮城県美術館
    • 芦屋市立美術博物館
    • 兵庫県立美術館
    • 神戸わたくし美術館
  • グループ展
    • 1967-2005 芦屋市展
    • 1975-2015 ぼんくら会参加
    • 2006 「ロッカー」アトリエ 2001、神戸
    • 2007 「二人展」花岡画廊、神戸
    • 2008 「私の村上三郎」バー・メタモルフォーゼ、西宮
      「四角ならなんでも OK」ギャラリー島田、神戸
    • 2009 「緑」三人展、海月文庫アートスペース、大阪
    • 2010 「三人展」アートスペースかおる、神戸 「合成写真」展、アトリエ苺小屋、神戸
      「あたりまえのこと・棒による」アートスペース虹、京都
    • 2011 「3人の時間」卍字楼、京都
      「踏み出し展」いちばぎゃらりぃ有香、神戸
      「松原登喜栄メモリアル」スペース草、豊中
      スペース御蔵跡、大阪 バー・メタモルフォーゼ、西宮
      「まねしん」スペース草、豊中
      日仏交流現代美術展、MI ギャラリー、大阪
    • 2012 「土」四人展、海月文庫、大阪
    • 2013 「LINE」三人展、Gallery Yamaguchi kunst-bau、大阪
      「再生 100 文庫展」トンカ書店、神戸
    • 2014 「位置展」ルネッサンス・スクエア、姫路
      「二人展」アトリエ 2001、神戸
    • 2016 「隅」三人展、海月文庫アートスペース、大阪
      「堀尾昭子と松井憲作」ギャラリー開、神戸
    • 2017 「INTERACTION of COLOR」三人展、ギャラリーあしやシューレ、芦屋
      「The artists with Gallery Yamaguchi Kunst-pau」Gallery Yamaguchi kunst-bau、大阪
    • 2019 「COVER Ⅳ」CAS、大阪
      「堀尾貞治・昭子の世界」神戸わたくし美術館、神戸

「ミニマル・アートからの隔たり」

堀尾昭子が鏡を素材として用い始めたのは、今から約45年も前に遡る1970年代初頭である。当時制作していた箱状の作品の中に偶然鏡が落ちたことがきっかけで、初めは像が映り込むことに面白さを感じたが、やがてそれを意識せず制作するようになったという。 このたびの個展出品作でも、アクリル製の鏡に水性アクリル絵具で彩色した1点が含まれている。 本作では鏡の縁と中央部分が絵具で覆われ、塗り残された鏡面はごくわずかである。鏡本体よりやや小さい矩形の輪郭のみになった鏡面部分は、人が覗き込んでも自分の顔を顔として認識できないほど幅が細い。そのため映り込みの現象もしくは鏡像自体よりは、表面の光沢や硬くつややかな質感など鏡本来の特質が見る人の意識を引きつける。 一方、絵の具が施された部分は、均質な色面ではあるものの僅かに厚みがあり、タッチもかすかに残っていて、何度も丁寧に塗り重ねられたことが窺える。 その艶消しの質感は鏡と好対照で、絵具がグレーの濃淡という無彩色であることも相俟って、色彩よりは質感の対比が際立っている。

本作に端的に表れているように、堀尾の作品は幾何学的形態と抑制されたタッチや色彩が特徴的であり、素材も重厚なマチエールを主張するものはほとんど採用されていない。 それゆえに堀尾の作品は、1960年代にアメリカで顕在化したいわゆるミニマル・アートと呼ばれる美術になぞらえて、ときに「ミニマル」と形容されることもあった。 確かに外観は似ている点もあるが、実は両者は大きく隔たっていると思われる。 上記で触れたとおり堀尾の作品では、絵筆のタッチはほとんど目立たないながらも完全に消されているわけではない。堀尾自身、スプレーで絵具を塗布するような手法は好まないと語り、絵筆で彩色する行為を決して手放してはいないのである。 そして、質感の細かな差異に着目する姿勢は、素材への愛着をありありと伝えており、絵画特有の視覚性や彫刻における場の問題などを極限まで追究し、いかなるイリュージョンも分節化可能な構造も排して、例えばジャッドの言う「特種な/明確な物体(Specific Objects)」にまで達したミニマル・アートとは、関心の在り処が全く異なっている。

本展出品作では鏡の作品以外に、白い画用紙にインクで線を引き黒い針金を加えた作品も、ミニマル・アートとの相違を明瞭に示しているだろう。 ここでは、インクで描いた直線と曲がった針金との間に思いがけない連続性が提示され、二次元の直線が三次元に飛び出したかのように見える。 そのちょっとしたイリュージョンを楽しむ遊び心は、同じく本展に出品された、黄とグレーのストライプの紙に、黄緑と赤のストライプの紙を載せた作品にも共通する。本作では、両者の絵柄がつながるように配置されているが、色価の違いで後者が前者の上を浮遊しているように見え、視覚的な遊びの要素が作品の核になっている。

この他、ささやかな大きさも堀尾作品の特徴の一つとして挙げられるが、この点でも、見る人を圧倒するほどの規模や重量を伴うことが多いミニマル・アートの作品群とは一線を画している。 堀尾が用いるのは、アクリル製の鏡をはじめ、紙、材木、アクリル板等いずれも身近にあるものばかりで、しかも一人でたやすく持ち運ぶことが可能な嵩と重量である。 これは、大振りな作品を制作するのが様々な制約により困難だからというよりも、逆に小さいことこそが堀尾の志向に合致するからではないか。堀尾が望ましいと考えるのは、細かな差異を持つ各部の対比や呼応などの関係性を、見る人が親近感を持って受容できる作品と思われ、そのためには物理的に小さい方が理に適っているだろう。 それを手技で丹念に実現した堀尾作品は、自己批判を徹底した西洋美術のモダニズム志向の突端に位置するのではなく、むしろそれが捨象した面に光を当てているのである。

     加藤瑞穂(大阪大学総合学術博物館招へい准教授・近現代美術)
      2015年 ギャラリー芦屋シューレ 個展案内状掲載


WORK

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個展案内状

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