2006年3月発行海月通信第38号掲載

絵を見ててよく思うのは上手に描いているのだが、何かもう一つ面白くない事がある。上手であるという良すぎるというのも見ていて眼に障るというか気に障るというか良すぎてあかん絵がある。その反対にこれはえらい下手くそやが見ているとそのアカン感じが時間と共にじわじわと良くなってくる事がある。 だから絵というのは上手に描けているだけが絵でなく、そのどちらも良いのであるが、そのどちらもの中にそのものの本質のようなモノにどう迫るかである。
僕は自分の絵を眼力のある人に見てもらった事が何度かある。その時に思う事はやはり自分の中から出たモノが取り出されてくる。それは自分の中のモノに忠実に描ききったモノが出てくるのを何度かそういう機会に感じた事がある。それは良いものでもアカンものでもない。自分の中から出たもの。1996年4月3日 MEMOより