2007年9月発行海月通信第47号掲載

阪神タイガースファンというのがいるが、これは負けたり勝ったりするゲームであるので、とにかく勝たない事には人気があがらない。
ところが長い時間そのファンになっていると、負けても負けてもファンなのであるから、よくよく考えてみると勝負は関係なく自分の問題として受け止めている。おもしろいというのは勝負でなく、その両方があるからおもしろいので、これが常勝となってくると又しらけてくるのである。もちろん負けるよりは勝つ方がよいのであるが、人間というのはおかしいもので、過ぎてしまうとそのことから関心がはなれていく。
そうするとどないしたらおもろいかというと、いつも競り合っていて力が五分五分で拮抗していることが、一番おもしろいし力が出る。みる方もしている方も力が出やすいのである。これが一方的になると見ている方もやっている方も、おもしろくない。だからモノがおもしろいと云うのは、相手を自分の力までたてるから、自分もおもしろくなる。もっとおもしろいのは、ちょっとだけ力が、どちらかが上であることで負けたり勝ったりがある事がファンをあかせない。1995年7月20日 MEMOより