新しいことをすると新しい事件

2007年11月発行海月通信第48号掲載

 自然というのはきちんと嘘がない。沢山の雨が降れば洪水で田や畑、家も流れてしまうが、適量なら人々が潤うというように雨ひとつでも自然にその状況は出てくる。失敗を恐れずにやればそのように形になる。

 この度、芦屋市で僕は美術館の2階の展望のきくガラス窓を全面に白で塗り込んだら、風景が見えなくその場の空気が変化する。又そのようにする設定も僕の中から湧き出てきてやる。普通にはそんな事してなんの利益にもならんことはやらない。だから人は、考えつかない意味のないことや全く我々の損得、合理的なこと理解ではないこと、そこに人間は解放感を感じるのである。その解放感こそが生きているよろこびである。

 新しいことはそのような理解をこえた事件そのものである。1996年4月23日 MEMOより

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