美術と日常

2011年9月発行海月通信第71号掲載

 美術と云うのは、人道的な義理と人情とか情感とか、我々の生活の何かと関連するような事とは違うこと。まったく違う場所に光を当てるような事件である。何故とかどうしてとか云う説明や問いかけでない世界の事である。

 だから日常と云うのは理由とか道理を云うのであるが、美術とはそれを全く断ち切った事である。もっと言えば、精神の感覚の遊びであっていいのだと思う。あいつ馬鹿でなかろかと云う事が出ているものである。

 村上三郎の格言の中に「傑作は理由を問う事を断念させ、鮮やかに存在する。」美術とは傑作の連続になっている事である。1998年10月13日 MEMOより

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