2016年10月 ベルギー BOZAR

2017年1月発行海月通信第103号掲載

 今年最後のベルギー・ブリュッセルのBOZARの仕事を終わってほっとしています。今年は四回も外国でした。こんなオジンになってから、どうなっているのかと思うのですが、このような事は僕が考えるのでなく、大きな視野で神さんがしている事だと考えるしかない。今までの自分が考えていたような構図ではなく、ホンマに超びっくりの連続です。くわしい内容は神のみぞ知る、と云った感じです。

 今回の展覧会は日本の京都国立近代美術館の「あの時みんな熱かった アンフォルメルと日本の美術展」の作品を全体の1/3位の展示。この展のオープニングパフォーマンスの為に行った。今回、原口研治と山下克彦、パリから原口麻奈、4人でBOZARで10/8→10/18の日程で、仕事をやり終えて来ました。本番は10/13で、この日の為いろゝと、下準備をしてのぞむ。2回やり第一回目は墨と水による丸描きと、階段の紙やぶり(音を出す)その次が、山下克彦のドライアイスの音をバックミュージックにして、僕の墨によるコロンゝをやりました。よかったかどうか自分ではワカランのですが、やったと云う実感がありました。

 気がつくと77才になっていたと云う現実を実感。何をやると云うかそれなりに形になって来るのには、沢山の時間が創るのだと思いました。これらの事は全部今まで自分の色塗りとか、一分打法とかに裏打ちされて出て来るのだと思いました。これからどれくらいの時間があるか、出来る事をひとつひとつやると云うのが、オモロイ事なんだと思っている。とにかく前に向いてやっている事が、一番楽しい事だと思う。時々欲が出てこんなことと思うが、そういう事というのは案外自分の本質でなく、欲と紙一重の世界に踏み込んでいる。本来無一物という空と云うか無になっていると、今までやった自分の中の事が、キチンとあるのだと思う。ひとつひとつ自分の体験の中から形にしていけばよいのではないかと思う。

 あまり外国の風景を味わうと云うのはないのですが、日曜日の教会のパイプオルガンの音とか、ふと今まで見たこともない身辺の建築物の汚れ説明のイカン美しさ 時間 つかまえたような時 今ブリュッセルの街、地球という大げさですが、感じたりした。 感謝 堀尾貞治

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