2012年11月発行海月通信第78号掲載

いつでも出来ること 簡単に出来ること わかりきったこと ちょっとするだけのこと 馬鹿らしいこと 百も承知のこと ふいたら飛んでしまうこうなこと はっきりしていること 一番近いこと 考える程のことのないこと じょうだん そこのこと 横のこと 後ろのこと さわっていること 朝めし前のこと わざわざすることでないこと 笑われるようなこと 誰も受けとめてくれないようこなこと ただ置くだけ何の技もいらんこと アホかといわれること そんなこと 思いつきや、行き当たりばったりや、デタラメや等々、一番身近で考えなくて軽率なこと、と云うのはいつもどこかで精神的に、馬鹿にし続けているが、この一番底の一番意味を失った数々の事件の中にこそ、我々を根底からひっくり返してしまうものが、芸術の真理につながっているように思われてならない。1996年6月27日 MEMOより