2012年9月発行海月通信第77号掲載

焦点距離というものが何ごとにもあるが、精神的な焦点距離というのは、具体的に見えないので、あまり焦点という意識はないが、年末なんかになって年内にしてしおかなければならん事、といったようなことがあると、頑張ってとても無理と思われるような仕事量を消化する。
この時に年内という限定されたところが、焦点になっているのであるが、そう云うものがなくていつでも結構ですと云う事になると、焦点がなくなり力もなくなる。ここで思うのは「少年よ大志を抱け」とか「人生の目標」とか、生涯かけてする、というような事があると、常にその意識が働いているものである。人生の目標も、大きければ大きい程、エネルギーが生まれてくる。
作品づくりでPLANや考え方を限定しなくて、10考えるところが100考えるというふうに仕事量の焦点、位置を変えると、そういうふうに頭の中の力が変わって、発想も変わるもので、この焦点のつけ方が非常に面白いと自分でおもしろがっている。1996年6月25日 MEMOより