2002年5月発行海月通信第15号掲載

ちょっとかえるというのは、大変かわることである。しかし意識の入口はちょっとだけなのである。ちょっととはどんなことかというと毎日の習慣を変える、例えばすぐにテレビをみてしまうとかいつも気になる周辺をそうじきをかけるとかいう単純なことである。
それをやるととんでもないことが意識の中でおこってくる、 テレビをみないというそんなことで沢山の自分の時間が見えてくる。そうじきをちょっとかけるというがそのちょっとのことで今まであった物(本とか筆とかノート、手紙、雑用具等々)が整理されてくるのである。そうすると心がひきしまるというか今まで自分が考えてもいなかったこと忘れていたことを想い出し自然に作業が生まれてくる、ところがこの反対でそんなテレビをちょつと見るのをやめるぐらいで何が変わると思う、身辺の雑用具をかたづけることで整理されたことぐらいでなんてことはないと考えていた。
作品、絵づくりでもちょっとの時間で何が描けるか絵というか芸術は余裕を持って心の準備をしてこそ出来る、ちょこちょこと描いて創造など出来るものかと思う、このへんのところが考えで実際面で行動におこすとちがった現実があることを感じている
色を毎日一色塗るという作業がどんなにスピードと力を与えられるかということが十年(現在は十八年) してやっとわかるのである。しかし普通には物に一色塗りつけるなどというバカな行為は発想の中には考え浮かばなかったことである。このようにちょっとという意識の中に大変なものが連続し連動している、自分がこれはよいというかやらねばと思うことがあるなら考えずまずやってみることだとつくづく実感する
《心の転換即行動》1995年6月27日 MEMOより