そのものに合わせる

2010年3月発行海月通信第62号掲載

 作品を創作するというと、考え方があってその考えに合わせて物や方法、やり方というように創造してゆくのが、普通のもの作りである。その時自分のイメージに合わないので、色々と材料を探していったりする為なかなか作品が出来ない。そういうやり方をしてると自分が疲れてしまい出来ないような事がよくあった。

 ところがそういう概念やこだわりをすてて、やりやすい方法でやってみたらと思うが、その方法がなかなか今までの自分の中に作られているプライドをつぶす事が出来にくいが、そこにある物をそのまま使用して、横着をするのである。横着というのは、手抜きとかズルイとかいう言葉で、決めつけられていく。そんなハッタリで作品を作っていてはダメになると云うのである。このダメになると云うプライドを捨てて、ダメでよしと飛び込んで、ダメモトなる方法を発見してからというものドンドンと面白い事がこっちに向かってやって来たのである。

 そこにある物をそこにあるように100%活かして行く考えで始まるので、関わった分はそのことが100%の出発であるから、もう100%頑張ると200%になって行くのである。そのものとは100%にしていく事である。1995年9月8日 MEMOより

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