2007年5月発行海月通信第45号掲載

日々の普通のことが普通に受け取れていればよいのに、どこかに期待や無関心といったことで夫々の生き方が考えなくても出来てくる。
そうした違いこそが大事なのであるのに、その違いを概念や多数決や教養や意地やその他人間の中に有る「ありとあらゆるもの」で、訳の解らん誤解を生んでいく。その時におこるのは自分が正しいという、自分がその人のことを考えて云ったのに、その云ったことが逆になっているといった事からとんでもない方向へと行くことが多々ある。その為に又あらためて軌道を修正するのが人間の営みである。
この営みの量こそが、僕にとって作品の形になってくるように思う。しんどいけれど誤解の多い程豊かなんだと自分を励ませながら。今も⋯ 1995年8月25日 MEMOより