日々のたのしみ

2004年5月発行海月通信第27号掲載

 たのしみというのはわからんことでないかと思う。
 今あることも楽しいことであれば、それも楽しみというけれども、おおかたの場合 これからあることとかある程度 予想がついているか わからんことか といったあいまいであるが かならず現実になるという期待がある時 楽しみというものが高まりをつくるが、 予期しないもの見たこともないもの というのが説明できない楽しみ方でないかと思う。

 最近になって思うことであるが意味もなく知らない大阪や京都の街で 今まで通ったことのない路地をあるくのがとても楽しい。
 僕の場合いろいろ一分打法のネタになることなどあるが そうでなくても新鮮なそこの空気や おもいがけないものや犬やネコでも会うと楽しいものである。
 35年も会社と家の往復をしていても まだみない角度や場所に新しいものを発見したりすると その35年もの時間がそのまま そのものとのつながりになって なんともいえん新鮮な気分にさせられたりする。


これは何も身辺の風景だけでなく 何年もつれそったヨメはんにもいえることではないかと思ったりするが、それをどうしてつくるか それが芸術というものでないかと思ったりする。芸術とは理屈でもなんでもなくそのことやそのもと直結した魂のことなんだと思う。1997年2月26 MEMOより

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